男性不妊外来
男性不妊外来
担当医:荻窪病院泌尿器科部長
大橋正和先生(生殖医療専門医)
当院では、男性へ向けた外来も行っております。精液所見が不良なために奥様が妊娠に至らない病態を「男性不妊症」と呼びます。
WHO の調査によれば、不妊症の原因は女性側が約7割、男性側が約5割を占めます。(2割は両者に原因あり。)
ご主人の検査を希望されるご夫婦、精液所見が不良と指摘されたご夫婦、夫婦生活がうまく行かないご夫婦等が診療対象となります。
精液検査をされていない方は、診察前日までの実施をお勧めします。(精液検査は、妊活スタートドックより検査予約可能です。)
【診察内容】
問診、身体の診察を行い、精液検査・ホルモン検査結果より、男性不妊の原因診断と治療方針をお話します。勃起障害(ED)に対するバイアグラ等の内服治療も行っています。
【主たる積極的男性不妊治療】
① 精索静脈瘤に対する手術治療
リンパ管温存高位結紮術…精索静脈瘤とは、陰嚢の静脈に血液が溜まる状態です。静脈血がうっ滞すると精巣温度が高くなり精巣での精子を造る機能が障害されます。精索静脈瘤を引き起こす静脈を結紮・切断する手術により、陰嚢の静脈に血液が溜まらなくなり精巣温度が下がり、精巣での精子を造る機能が上がります。
② 逆行性射精に対する膀胱内精子採取
オルガスムス(性的絶頂感)を感じても精液が体外に出ずに膀胱に戻ってしまう状態を「逆行性射精」と言います。糖尿病の方に多く見られます。お薬の内服治療で約半数の方で精液が体外に出るようになります。内服治療が無効な方には、膀胱内の精子を回収し、奥様の人工授精(AIH)・体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)に用います。
③ 無精子症に対する精巣内精子採取術(TESE)
無精子症や射精が出来ない場合に行います。ご主人の精巣から精子を採取(TESE)して凍結保存し、奥様の卵子と顕微授精(ICSI)させ、受精卵を子 宮に戻す(ET)という一連の治療を行います。
TESE は荻窪病院手術室で行われ、明大前アートクリニックの培養士が荻窪病院に出向いて回収精子を持ち帰り、顕微授精(ICSI)用に凍結保存します。