AMH (抗ミュラー管ホルモン)とは?
AMH (抗ミュラー管ホルモン)とは?
AMHとは抗ミュラー管ホルモン(anti-Müllerian hormone)の略称で、卵巣内の発育過程の卵胞(原始卵胞から少し発育した前胞状卵胞や小胞状卵胞)から分泌されるホルモンです。
次の特徴が挙げられます。
① 卵巣年齢を示す。
AMHを調べることで、卵巣年齢を知ることが出来ます。
② 卵子を作る能力を示す。
直近数ヶ月の卵子を作る能力が分かります。AMHが高ければ卵子を多く作ることが可能となりますが、AMHが低ければ採卵しても卵子を少なくしか得られないことが予想されます。PCOS (多嚢胞性卵巣症候群)の様にAMHが著しく高い場合、排卵誘発で卵胞が多数育って卵巣過剰刺激症候群になることが予想されます。その対策としては低刺激法(フェマーラやクロミッドを使用)で採卵するか、一般診療では低用量FSH注射(連日あるいは隔日)で排卵を計画することが考えられます。
③ 年齢が上がるに従い、AMHは低下する。
体外受精を受ける場合は、可能な範囲で若い年齢で治療すれば良い卵子が多く取れることが期待出来ます。
④ 卵子の質は示さない。
AMHが低いから良い卵子が出来ない訳ではありません。
以前にAMHがほぼ0の方が体外受精で4個採卵し、良好胚盤胞を1個移植して妊娠・出産した方もいます。
⑤ 体外受精において排卵誘発法を決める重要なデータになる。
体外受精において排卵誘発法を決める際には、AMH , Antral follicle (胞状卵胞)数、FSH等のホルモン値が重要とされています。
AMHが高値ならば高刺激法(毎日注射する)で多めに卵子を作ることが可能ですし、AMHが低値の場合は自然排卵~低刺激法で卵巣に負担をかけずに少数にはなりますが、卵子を作れます。